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【応用情報】用語集[ふ]

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フェールソフト

 障害が発生したとき、障害の程度により性能の低下はやむを得ないとしても、システム全体を停止させずにシステムの必要な機能を維持させようとする考え方。また、フェールソフトにおいて、障害が発生した装置を切り離し、機能が低下した状態で処理を続行することをフォールバック(縮退運転)という。

フェールオーバ

 障害が発生したとき、ほかのシステム(装置)が処理やデータを自動的に引き継ぎ、障害による影響すなわち切り替え処理を利用者に意識させないという考え方。なお、障害が回復した後、元のシステムに処理を戻す(代替システムから処理を引き継いで元の状態に戻す)ことをフェールバックという。

フェールセーフ

 システムの誤操作、あるいは障害が発生したときでも、障害の影響範囲を最小限にとどめ、常に安全側にシステムを制御するという考え方。フェールセーフを説明する例として、「信号機が故障した場合には、すべての信号機を赤信号の状態にして事故が起きないようにする」というのは有名。

フォールトマスキング

 障害が発生しても、その影響が外部に出ないようにするという考え方。障害発生をほかのしすてむ(装置)から隠ぺいしたり、障害発生時に、自律回復を行えるようにする。

フールプルーフ

 不特定多数の人が操作しても、あるいは、意図しない使われ方をしても、システムとして誤動作が起こりにくいように設計するという考え方。たとえば、「不特定多数の人が使用するプログラムには、より多くのデータチェック機能を組み込む。プログラムを使用するときの前提条件を文書に書いておくだけでなく、その前提を満たしていないデータが実際に入力されたときは、エラーメッセージを表示するようにプログラムをつくる」という対策は、フールプルーフといえる。

ブリッジ

 データリンク層に位置し、ネットワーク上を流れているフレームのMACアドレスを認識して、通信を中継する装置。接続されている各ノードのMACアドレスを記憶し、接続されているノードをコリジョンドメイン(セグメント)という単位に分割することで、MACアドレスにより判別したフレームのあて先のあるセグメントにのみフレームを送信する。これにより無駄なトラフィックを発生させず、ネットワーク資源を有効活用できる。

プロトタイプモデル

 開発の早い段階で、作成したプロトタイプ(試作品)をユーザに試用・評価してもらい、ユーザの要求に合うように修正を繰り返しながら開発していく手法。

 開発の早期段階で、要求仕様のあいまいさが取り除かれるため、後続段階での仕様変更による作業が削減できるといった利点がある一方で、ユーザ部門と開発部門の間で、

意見の食い違いが発生して調整に手間取ると、かえって時間とコストがかかってしまうという欠点がある。

ブラックボックステスト

 プログラムの内部構造や論理構造には一切着目せず、プログラムをブラックボックスとして考える。そして、プログラムの外部仕様に基づくテストケースを作成し、プログラムのもつ機能、つまり、入力に対して正しい出力が得られるかどうかに着目したテストを行う。したがって、プログラムに冗長なコードがあっても、それを検出できないという欠点がある。

プロダクトライフサイクル戦略

 製品が市場に出てから姿を消すまでを、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4段階を経由するライフサイクルとしてとらえ、各段階に応じたマーケティング戦略を採ることをロダクトライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)戦略という。

 PPMの各領域をプロダクトライフサイクル上の各時期に当てはめると、「導入期=問題児」、「成長期=花形」、「成熟期=金のなる木」、「衰退期=負け犬」となる。また、衰退期に撤退を図る場合の戦略として、「売上高をできるだけ維持しながら、製品にかけるコストを徐々に引き下げていくことによって、キャッシュフローの増大を図る」といった収穫戦略がある。

分散データベース

 工場や、営業所、研究所など、地理的に離れた場所の複数のコンピュータシステムに接続された互いに関連のあるデーベースを、論理的に1つのデータベースとしてアクセスできるようにしたもの。

 分散データベースを利用するとき、データベースが各コンピュータシステムに分散されていることを意識せずに利用できる、つまり、あたかも一元管理された集中データベースを利用しているかのように見える性質を透過性(transparency)といい、次の6つがある。

・資源位置に対する透過性(location transparency)

・データ移動に対する透過性(migration transparency)

・データ分割に対する透過性(fragmentation transparency)

・データ重複に関する透過性(replication transparency)

・障害に対する透過性(failire transparency)

・データモデルに対する透過性(data mdoel transparency)

ブロードキャストストーム

 データリンク層で動作するブリッジスイッチングハブなどのLANスイッチ、ブロードキャスフレームを受信ポート以外のすべてのポートに転送する。そのため、これらの機器をループ状に接続し冗長化させた場合、信頼性は向上するが、ブロードキャストフレームは永遠に回り続けながら増殖し、最終的にはネットワークダウンを招いてしまう。

 この現象をブロードキャストストームといい、これを防ぐプロトコルスパニングツリープロトコル(Spanning Tree Protocol:STP)がある。ループを構成している一部のポートを、通常運用時にはブロック(論理的に切断)することで、ネットワーク全体をループをもたない論理的なツリー構造にする。

プロキシサーバ

 アプリケーションゲートウェイファイアウォールのうち、とくにhttpを扱うものをプロキシサーバと呼ぶことがある。プロキシ(PROXY)とは「代理」という意味で、プロキシサーバはクライアントからインターネット上のWebサーバへのアクセス要求を中継する。

 プロキシサーバは、Webページへのアクセス時に内容をキャッシュしておき、次にそのWebページへのアクセス要求があった場合、インターネットに問い合わせることなく、キャッシュの内容を返信する。ただし、キャッシュできるのは内容に変化のない静的なコンテンツに限られる。プロキシサーバを用いることでリクエストを中継し、セキュリティの向上も図れる。

 また、インターネットからのアクセスをWebサーバに中継するものをリバースプロキシサーバという。

プラットフォーム開発

 組込み機器の設計・開発において、複数の異なる機器に共通して利用できる部分(プラっとフォーム:プログラムを動かすための土台となる環境)を最初に設計・開発し、それを土台として機器ごとに異なる機能を開発していく手法。ソフトウェアを複数の異なる機器に共通して利用することが可能になるので、ソフトウェア開発の効率向上が期待できる。

不正競争防止法

 事業者間における公正な競争を確保するため、不適切な競争行為の防止を目的に設けられた法律。不正競争防止法では、たとえば、他社の商品を模倣した商品を販売する行為や、市場において広く知られている他社の商品表示と類似の商品表示を用いた新商品を販売する行為は、違法行為としている。

ブロックチェーン

 データの改ざんを困難にした分散型の記録管理技術。記録データをブロックと呼ぶ小分けしたデータに加工し、順番に関連付けして鎖(チェーン)のように連なる構造を取る。仮想通貨のビットコインが取引基盤として利用するなど、FinTech領域を中心に注目を集めている。

プロトコル

 コンピューター同士の通信をする際の手順や規格のこと。情報を送り出す端末の選定、データの形式、パケットの構成、エラーの対処などを取り決めた通信の約束事である。古代ギリシアパピルスの巻物の最初の1枚目を「プロトコロン(protokollon)」と呼び、巻物の内容を書き記したことから、草稿、議事録、議定書、外交儀礼などの意味に発展した。

 インターネットのプロトコルは、RFC(Request for Comments)で技術仕様が公開されている。プロトコルで定められた処理をするプログラムをコンピューターに組み込めば、ネットワークに接続されてほかのコンピューターと通信できる。

ブロードキャスト

 ネットワークに参加するすべての機器に同時に信号やデータを送信すること。一対一の通信に比べ回線や機器への負荷が大きいため、特殊な用途に限定して利用するのが一般的である。

 例えば、機器を新たにネットワークに接続してアドレスなどの情報を自動取得する際に、設定情報を持っているサーバを探す場合などに用いられる。

 これに対し、特定の単一の相手を指定して一対一で信号やデータを送信することを「ユニキャスト」(unicast)、複数の特定の相手をグループ化した特殊アドレスなどに向けて一斉送信することを「マルチキャスト」(multicast)という。

フォワーディング

 ネットワーク上で、あらかじめ指定された条件や設定などに基づいて、外部から受信したデータを特定の宛先へ自動的に転送する機能をフォワーディングという。セキュリティなどの都合で直接通信できない機器間で通信できるよう、中間にある機器が通信を中継する場合などに用いられる。

 例えば、IPネットワーク上の機器が、自らのIPアドレスTCPUDPの特定のポート番号への通信を、別のアドレスの特定のポートへ自動的に転送することを「ポートフォワーディング」(port fowarding)という。

フィンガープリント

 指紋(を採る)、拇印という意味の英単語で、IT分野では人物や端末などの識別や同定、真正性の確認に用いられる短いデータ列などを指すことが多い。

 例えば、電子メールのようなメッセージをインターネットなど信頼できない経路で伝送する際に、本文をハッシュ関数で計算して得られたハッシュ値を末尾などに記載したものをフィンガープリントという。

プロビジョニング

 設備やサービスに新たな利用申請や需要が生じた際に、資源の割り当てや設定などを行い、利用や運用が可能な状態にすること。対象や分野によってサーバプロビジョニング、ユーザープロビジョニング、サービスプロビジョニングなどがある。

 コンピュータシステムを新規の利用者が使えるようにする場合、ユーザーアカウントの作成やアクセス権限の指定、ソフトウェアの設定、個人用フォルダの割り当てなどの操作や作業を行う必要がある。このような、新たに利用できるようにするまでの一連の工程をプロビジョニング(この場合はユーザープロビジョニングあるいはアカウントプロビジョニング)という。